映像技術解説

演出を手伝う撮影方法その②:POVショットとバレットタイムについて

こんにちは、撮れ高映像部の宮坂です。

前回の記事では長回し”と”タイムラプス”について紹介したので、今回も撮影方法による演出について紹介します。

関連記事:演出を手伝う撮影方法その①:長回しとタイムライプスについて

ホラー映画の演出で多く使われた『 POVショット』

前回紹介した”タイムラプス”はカメラ本体を固定して撮影する場合がほとんどですが、POVカムも同じです。”POV”とは「Point of View」の略で、本体を固定して撮影することに特化したカメラです。ワイドコンバージョンレンズ(ワイコン)等を取り付けることはできるものの、カメラ本体にはアイリスやズーム、フォーカスリングも付いていません。

演出的には”POVショット”とも呼ばれ、主にホラー映画ですごく流行った手法です。本体はとても小さくそれぞれのカメラに映らない様に固定するのが容易なため、カットを割らずに一連の動きで撮影が可能になります。そのため低コストで済むことと、タイムラプスとは反対に、人物のいないシーンで長く引っ張っても臨場感を出せる優れた手法だったことも流行った理由です。

中でも、映画「パラノーマルアクティビティ」は低コストで仕上げたことでも有名で、POVショットが多用され、主観視点でのカメラワーク、つまり「カメラ=人物の視点」になるので臨場感、緊迫感がどんどん増していきます。出演者がビデオカメラを持っていて、その映像を私たちが見ている、という演出にも使われていました。

マトリックスのあのシーンで使われた『バレットタイム』

被写体を360度囲む様にカメラを固定設置し、過去ブログの『自由視点映像』に関するブログでも紹介した様に、複数の映像を編集で合成する方法で、時間が止まったかのような演出ができるのが”バレットタイム”です。 バレットタイムを直接知らない方でも『マトリックスの反り返るシーン』と言えば分かると思います。

関連記事:Canon新型カメラでの『自由視点映像』について

あのシーンが”マトリックス”も”バレットタイム”も有名にしたと言っても過言ではないくらい、当時は画期的で、印象的なシーンでした。

映画業界にはまだまだたくさんの技法があります。知れば知るほど映画を見るのが楽しくなるので、今後のブログでも紹介していきます!

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