映像技術解説

キーイングの一種「クロマキー合成」について

こんにちは!撮れ高 映像部スタッフの佐々木です。

映像作品にはたくさんの技術が使われています。今回は数ある映像制作技術の中から、合成などで使われているクロマキー合成についてお話しさせていただきます。

クロマキー合成とは?

クロマキー合成と聞いて、何だろうと思う方が多いと思います。クロマキー合成とは、ブルーバックやグリーンバックを使って被写体を撮り、その色の部分に画像や映像を合成させる技術のことを言います。以前、CGについてお話ししましたが、映画やドラマなどのCGにもクロマキーは使われています。

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グリーンバックやブルーバックと聞いて、映画のメイキング映像やテレビなどで見たことある方は多いかと思いますが、知らない事の方が多いと思います。なぜ合成する時に、グリーンとブルーを背景にするのでしょうか?

人間の肌の色と真逆の色を背景に使用

クロマキー合成はキーイングと呼ばれる、切り抜き合成技術の1つで、特定の色を選び、その色の成分から映像の一部を透明にし、透明になった部分に他の映像を合成させる事ができます。クロマキー合成は、人に何かを合成させる時に使われる事が一番多いため、もしも背景が肌色であった場合、人自体も透明になってしまいます。それを避けるために、人間の肌の色と真逆の緑、青を背景にして使われています。緑や青の被写体を合成したい場合などは、他の色が背景で使われることもあるそうです。

ちなみにキーイングは、Adobe After Effectで利用することができるので、お持ちの方は誰でもクロマキー合成が可能です。

海外ではグリーンバックの利用が多い理由

日本ではクロマキー合成の際にグリーンかブルーを使用しますが、海外ではグリーンバックを使わざるを得ない理由があります。その理由は外人の瞳がブルーの場合があるためです。もしブルーバックを使ってしまうとキーイングをした時に瞳まで透けてしまうため、海外では、ほとんどグリーンバックを使ってしています。

そして、をする際にも注意点があります。1つ目は、俳優や女優などの演者さんを照らすために照明を当てるのですが、その時に背景のグリーンバックに強い影が出てしまうと編集の時にキーイングができない可能性があるため、グリーンバックを使うときは影のことも気にしなければいけません。もう1つは、背景と同じ色の物を使わないことです。意外とクロマキー合成も皆さんが想像するより手間がかかっています。

クロマキー合成を使用した映像をご紹介

そして、この技術を使うことで、視聴者の方を驚かすような映像作品ができあがります。最後に、クロマキー合成を使っている映画の不思議なワンシーンを紹介します。この映画はSF映画の「コンタクト」という作品です。こちらのシーンは自分が初めて見た時、どうやってされているか全くわからず、ずっと不思議に感じていたものです。

このワンシーンにもクロマキー合成が使われており、2つの映像を合成させて作られています。1つが、主人公が鏡の前にたどり着くまでの映像。2つ目が、鏡の接写から後ずさっていく映像です。

2つ目の鏡にグリーンバックを使い、切り抜き、そこに1つ目の映像を合成させると言う手法が使われています。2時間30分ある映画のワンシーンにも、すごく凝った手法が使われています。他の映画にも不思議なシーンや普通のカメラの動きでは撮れないようなものがあり、クロマキー合成の技術は今の映画には欠かせない技術になっています。

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