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コンサートの収録現場にCAとして参加~本番前のカメラチェックやリハーサール時の作業について

こんにちは!撮れ高 映像部の木下です。

先日ライブコンサートの収録業務をご依頼いただき、現場にカメラアシスタント(CA)として参加しましたので、カメラセッティングやカメラチェックについてご紹介します。

カメラ等の使用機材の準備

まず「機材溜め」と呼ばれる、機材が置いてあるスペースで使用する機材の準備をします。三脚を組み立て、移動があるカメラの場合は三脚にドリーと呼ばれるキャスターを付けます。そしてパン棒(固定したカメラを左右に振るための棒)にモニターやズーム・フォーカスデマンドを取り付けます。ズームやフォーカスのサーボ駆動操作を遠隔から可能とするデマンドを取り付けることにより、楽な体制のまま手元でズームやフォーカスの操作ができます。

各カメラポジションでカメラチェック

準備が整ったら各カメラポジションまで機材を運び、三脚にカメラを乗せ、ケーブルを繋いでカメラチェックをします。ケーブルは1本ずつカメラマンの邪魔にならないように繋いでいきます。使用する機材によってケーブルの本数は大きく変わりますが、光ケーブル、同軸ケーブル、キャノンケーブルが主です。カメラ準備が終わったらインカムを付けてVE(ビデオエンジニア)さんに、カメラチェック依頼の連絡をします。そこでのチェック項目は下記になります。

①光のレベルチェック

ケーブルをゆすったりして映像が乱れたり、ノイズが入ったりしないか確認。

②タリーチェック

タリーランプという赤いランプは光っているかの確認。「タリーオン」→ランプがついている状態、「タリーオフ」→ランプが消えている状態となり、カメラマンは自画が使われているかをタリーランプで確認します。

③送り返し確認

ビューファーやモニターには数種類の映像がVEさんより送られてきていて、例えば、下記など何が映っているかを確認して報告します。

  • ①自分の画
  • ②カラーバー
  • ③自画の上でマークが動いている
  • etc…

本番中は別のカメラの映像が送られて来ているので、それを見ながらカメラマンは動いています。

④IRIS確認

アイリスとはカメラのレンズの虹彩絞りのことで、「クローズ」で画面は真っ暗、「解放」で明るくなります。

⑤インカムチェック

インカムの指示が正常に聞こえているかの確認。

カメラチェックは以上です。

チェックが無事に終わったら、ケーブルを綺麗に整備していきます。カメラチェックでトラブルがありケーブルや機材を交換なんてこともあるので、その場合に備えてケーブルの抱き合わせやまとめる作業は、みんなチェック後にしています。

そして、リハーサル前にカメラマンが自分のポジションのカメラを確認に来て、そこで更に微調整します。デマンドやモニターの位置など、カメラマンによって使いやすい位置があるのでその調整です。移動のあるカメラの場合は、メインのポジションが分かるように床に目印となるようにビニールテープやガッファーテープで✖印を付けたりもしています。

その後リハーサルで動きの確認を行い、カメラマンとCAで本番に向けて、例えば「MC終わりで三脚の高さを変える」とか「M9(9曲目)終わりでハンディーにする」といった細かい打ち合わせもします。

リハーサル後はバックフォーカスの確認

リハーサル後には再度インカムでVEさんにバックフォーカスの確認をして貰って、本番に備えます。バックフォーカスとはレンズ最後端から焦点までの距離のことで、カメラが寄り引きした時に、どちらでもピントが合っている状態になっていなければいけません。

カメラチェックの時に合わせてしまう場合もありますが、リハ終わりで最終確認することが多いです。バックフォーカスを合わせる時は、客席の椅子の角やステージ上の階段、トラスなど明るく光沢のあるもので合わせるとチェックしやすいです。

演者さんの目印になるガッファーテープ

また、ライブの・収録現場には収録と画出し(えだし)に分かれてカメラマンがいます。収録はDVDなどにするためなので、基本的には収録日1日だけします。画出しはライブ会場のスクリーンで流れている映像をしているので、ツアーであればツアースタッフとして全公演回っています。そして、演者さんがポーズを決めたり、目線を送ったりする際分かりやすいように、カメラのフレームにガッファーテープと呼ばれるテープを貼っています。こちらは畜光性があり、遠くからでも光って見えるので演者さんへの目印になります。

関連記事:映像現場で使われるテープの種類と使い方について

ライブビューイング用のカメラにも貼られていることが多いです。ガッファーテープには黄色、ピンク、オレンジなど色があるので、リハの時に「〇〇さんは黄色のカメラに目線ください」というように振り分けられたりもしています。

そして本番中はとにかくカメラマンの動きを見ながら、ケーブルを捌いたり、三脚の高さを変えたりと動き回ります。終演後はケーブル、機材の撤収を行ってカメラアシスタント(CA)の1日の業務が終わります。

弊社は、ライブコンサートの撮影・収録以外にも、ENGロケ・生中継・生配信・動画制作・編集など、映像技術に関する業務を幅広幅広く対応しております。

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