映像技術解説

映像収録における設定『p(プログレッシブ方式)』とは

こんにちは!撮れ高部スタッフの平良です。

2017年の暮れにappleからiPhone Xが発表・発売されたのは記憶に新しいと思いますが、その中でも【4K画質でビデオができる】という発表が自分の中ではとても衝撃的でした。今のご時世誰もが持っているスマートフォンで、気軽に4K動画が撮れるということがどれだけ凄いことか、あまり一般の方には分からないと思いますが、とても凄いことなんです(笑)

iPhone 8もしくはiPhone Xでカメラの設定からビデオという項目を選んで頂くと下記のような画面が表示されます。

こちらの設定画面から4Kに変更出来るんですが、他にも720p や 24 fps など、一般の方にはあまり馴染みのないワードが並んでいます。画面下部に、映画のスタイル や よりスムーズ などのザックリとした説明がありますが、詳しく何なのか気になる!という方もいらっしゃいますよね。

ということで今回のブログでは、まず 『p(プログレッシブ方式)』について詳しく解説していきたいと思います!

どのようにして映像がモニターに表示されているのか

p というワードを説明する前に、まず大前提に『どのようにして映像がモニターに表示されているのか』その仕組みについて説明していきます。

まず一枚の画像を横長に細かく分割します。分割したパーツを上から下へ一つずつ送り、受信側で再構築して画面に表示させます。こうして画像を一枚一枚伝送し、それを連続して行うことで、ひとつなぎの映像として画面に流れるのです。この一つひとつの分割されたパーツを走査線と呼びます。

ここで一旦本題に戻りますが、1080pや720pのpとは、プログレッシブ(progressive)方式の略です。このプログレッシブ方式を説明するにあたってもうひとつ、i (インターレース・interlace方式)も紹介しなければなりませんが… こちらの方式は、現在ではテレビの各放送くらいでしか使われていない方式です。その他の映像媒体ではほとんどプログレッシブ方式を採用しています。このインターレース方式とプログレッシブ方式の違いとは、先程説明した走査線の送り方に大きな違いがあるんです。

インターレース方式とプログレッシブ方式の違い

インターレース方式とは、走査線を一本おきに伝送し、一枚の画像を二回に分けて表示させる方式です。飛び越し走査方式とも呼ばれており、日本のテレビ放送はこの方式を採用しています(NTSC方式)。インターレース方式(NTSC)では、一秒あたりに更新する画像枚数がプログレッシブ方式の二倍になるため、プログレッシブ方式と比較して動画をなめらかに表示することができます。

一方、すべての走査線を一本ずつ順番に伝送するのがプログレッシブ方式です。プログレッシブ方式では一枚の画像を構成する走査線数がインターレース方式の二倍であるため、画像一枚あたりの解像度はプログレッシブ方式の方が高くなります。特に動いている被写体を静止画で表示した場合、プログレッシブ方式の方がぶれのない鮮明な映像をとらえることができます。

今回プログレッシブ方式、いわゆるpについて説明するにあたりインターレース方式についても説明致しましたが、どちらもメリットデメリットがあります。これの良いとこ取りをしたものはないのか、どうすれば良いとこ取りができるのか、そこも踏まえて次回 fps について説明していこうと思います。

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