皆さんこんにちは!撮れ高撮影部の平良です。
最近ある機材について調べていたところ、約2年前に作成された弊社のブログ記事が検索にヒットし閲覧していたんですが、その当時、最先端の機材です!と紹介されていた機材が、現在では標準的にどの現場でも使われている機材になっており、さらにその後継機が出ていたりと、時代の流れと共に新機材の開発技術スピードと普及の速さに驚きました。
弊社では数年前から、機材や撮影現場についてのブログを数多く書いておりますが、今回は過去のブログで紹介されている機材と、今現在現場で使用されている機材や、最先端の機材を比較しながら説明していくブログを書いていきたいと思います!
ステディカムについて
関連記事:ステディカムの機能や特徴について
上記リンクは約2年半前に公開された弊社のブログ記事になります。この記事では、主にステディカムについて書かれていて、2017年幕張メッセにて開催された「Inter BEE 2017」に参加し、そこで機材出展されていた、最新のステディカム機材を、実際にオペレート体験したことが書かれています。ステディカムの説明に関しては上記リンク先にて記載していますので、是非ご一読ください!
さて、Inter BEE 2017に出展されていたステディカム機材といえば、ARRIという会社のカメラスタビライザー「TRINITY」でした。
TRINITYは、通常のステディカムの上に、さらにスタビライズ機能の付いた機材が載っているような作りで、独自の5軸ハイブリッドスタビライザーになります。YouTubeでも説明されていますが、ローアングルからハイアングルまでシームレスにカメラ移動させることが可能で、かつ捻りを加えても水平がズレない作りになっています。
当時は、「ARRIが出した凄い機材が日本にもついに上陸した!」という印象がありましたが、2年半近く経った今は、どのような機材が使われているのでしょうか。
映画「ラ・ラ・ランド」や「1917」使われた撮影機材
まず、そもそもこのようなステディカムなどの大型機材は、主に映画やCM現場で使用されます。最近の映画で、ステディカムを使ったカットで特に印象に残っている映画といえば「ラ・ラ・ランド」や「1917」が挙げられます。
「ラ・ラ・ランド」 では、冒頭の長尺1カットのシーンや、本編に何度も出てくるダイナミックなカメラワークは、とてもインパクトがありました。同じく「1917」でも、全編ワンカットとも言われるカメラワークには、実写と疑う程のクオリティがありました。
「ラ・ラ・ランド」や「1917」のカメラワークでは、先ほど説明したARRI社のTRINITYが使用されています!もちろん全カットTRINITYを使用して撮影しているわけではありませんが、あのダイナミックなカメラワークを生み出した機材と言っても過言ではありません。
スタンダートを勝ち取る機材とは?
ここでTRINITYが発表された時期と2つの映画が放映された(もっと言うと撮影された)時期を比べていきたいと思います。調べて見ると、まずARRI社からTRINITYが発表されたのは2016年上半期になります。次に映画「ラ・ラ・ランド」 が最速で放映されたのは、2016年11月。そして「1917」が最速で放映されたのは、2019年12月でした。
この3点を比べてみると、2016年上半期に発表された機材が発表後すぐに普及し、世界的大ヒットを生んだ映画の撮影にも使用されていることが分かります。また、その機材が2019年から20年にかけて公開された話題作映画にも使用されている観点から、機材の使いやすさと性能の高さが伺えます。
新たな機材が発表されて、それをすぐに現場で見かけるということはあっても、継続してずっと使われていくかどうかは分かりません。使用する際の操作性や利便性、機能の高さ、いわゆる「当たり」機材かどうかが、カギを握っています。
昨今の技術の進歩でどんどん新たな機能が搭載された機材が出てきていますが、それをずっと追いかけ続けるのではなく、順々に使っていく中で、自分にハマる「当たり」機材を見極めて「スタンダード」にしていくことが大事だと感じています。
ARRI社のTRINITYは、多くの現場でステディカムオペレーターにハマったことで、「スタンダード」を勝ち取りました。我々技術者も同じように、多くの仕事をこなす中で、オペレーターとして「スタンダード」を勝ち取るために、まずは地に足をつけてより一層努力していきたいと思います。
弊社では、映画の撮影はもちろんのこと、ライブコンサートでの画出しや収録、ENGロケ、スポーツ・各種イベント中継、動画編集など、幅広く対応できますので、まずはお気軽に電話・メールにてご連絡ください。
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