こんにちは。撮れ高 映像部の佐々木です。
映像作品はたくさんのスタッフによって作り上げられています。監督、演者さん以外にもカメラマンや照明技師などプロの技術があり、1つ1つの作品が、より綺麗に視聴者の方々に届けられるように作られています。今回も普段は注目して見られることの少ない技術について、説明していきたいと思います。
人物や被写体を綺麗にするためのライティング技術
映像作品を観ている時に、誰もが一度は出演している俳優さん、女優さんがキレイでかっこいいと思ったことがあると思います。人物や被写体となる物を、映像で綺麗に視聴者の方に見せるために必要なものは、ライティング(照明)です。光の当てる方向や明るさによって見え方が異なります。シチュエーションやロケーションによっても光の色が変わったり、強さが変わったりします。今回はたくさんあるライティング技術の中で、基本的な光の当て方をご紹介します。
様々な照明技術が試された中、もっとも基本的となっているライティングは「三点照明」です。三点照明というのは、キーライト、フィルライト、バックライトの3つのライトのこと言います。それぞれのライトにしっかりと役割があり、被写体を美しく撮るための基本的な照明技術として使われています。この3つのライトの役割と配置について、詳しく説明します。
キーライト
キーライトとは最も強いメインの光源となり、屋外で言うと太陽の役割にあたります。被写体となる物の正面斜め45度くらいからライトを照らすのが基本となります。キーライトを被写体のどちらからあてるかは、被写体の形状や特徴によって異なります。人物の場合は顔が重要になるため、前髪が斜めにかかっている人の場合は、前髪の影が顔にかからない方向から当てる事が多いでしょう。
フィルライト
フィルライトはキーライトの反対側からあてるライトです。キーライトによってできる強い影を弱めるために使われたり、キーライトで照らされていない部分の照明に使います。フィルライトはキーライトの配置場所よりも、正面寄りにした方がいいとされる事もあります。
バックライト
バックライトは被写体の後ろ側からあてるライトのことを言います。被写体の輪郭を際立たせる効果があります。例えば、人物をするときに背景が黒の場合、黒髪は壁に溶け込んでしまい、区別のつかない画になってしまいますが、バックライトを当てることにより髪の毛や体の輪郭がハッキリとし、立体感を出すことができます。また、後ろから強い光を当てることでドラマティックな雰囲気を作る事もできます。逆に弱い光を当てると、自然な雰囲気を演出できます。
三点照明は基本的な照明技術であり、常に3つのライトが必要という訳ではありません。優れた照明の映画やドラマは、まるで照明を使っていないかのような自然の光を演出しています。映画は「光と陰の芸術」と呼ばれるほど、照明は大事です。光によってどんな演出ができるのか調べてみるのも面白いと思います。