映像技術解説

シネスコサイズでの撮影とアナモフィックレンズについて

こんにちは、撮れ高スタッフの平良です!本日はシネスコサイズとアナモフィックレンズというものをご紹介したいと思います!

映像の縦横の比率(アスペクト比)について

どの現場でも撮影をする際、4K収録か2K収録か、フレームレートは24pか30pかなど、収録フォーマットを決めてからスタッフ全体にそれを共有した後、セッティングに取り掛かりますが、決めなければいけない収録フォーマットの1つにアスペクト比というものがあります。

これはする映像の縦横の比率のことで、我々が映像撮影・収録の仕事でよく行くライブ・コンサートの現場では、アスペクト比16:9で撮影することが多いです。このサイズは現在のテレビ番組の映像などで使われており、主流の比率になります。

シネマスコープサイズの場合の撮影アプローチ

ただ、現場によってはシネマスコープ(以後シネスコ)サイズと呼ばれる比率で撮影する場合も有ります。これは2.35:1という比率で、映画やMVなどで使われている印象が強いです。

2.35:1ということで、主流の16:9と比べると横に長いサイズ感で、撮影する際のカメラマンの画づくりも、16:9とは全く違うアプローチになってきます。

ただ変わってくるのはカメラマンの感覚だけでなくカメラの方も同じです。中継で使われるシステムカメラには2.35:1というアスペクト比でする機能は無く、それでもシネスコで撮影する場合は、2.35:1サイズのラインマーカーを16:9の映像に当てて、編集の際にラインから出ている上下の映像をカット(トリミング)してシネスコの映像を作ります。ただこの16:9でした映像の上下をトリミングすると、画素の多くを捨ててしまうことになります。

そこでアナモフィックレンズの登場です!

アナモフィックレンズとは、画面の横方向を1/2に圧縮して結像し、編集時や映写時にこれを2倍に戻すことで、シネスコ映像を得ることができる特殊なレンズのことを指します!2倍のアナモフィックレンズを使用する際は4:3のアスペクト比ですることで戻した際、画素を無駄にせずシネマスコープ映像を得ることができます。

また、アナモフィックレンズには通常のレンズでは表現できないようなボケ味やフレアを作り出すことが出来ます。更には比較的長いレンズでもワイドな画作りができるため、広い映像でもボケ味を活かした映像が作れるなどの特徴があります。

アナモフィックレンズのボケ味やワイド感を出すために、あえてアナモフィックレンズで撮ったシネスコ映像を16:9にトリミングして、CMなどで使うこともあるんです!

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