こんにちは!撮れ高 映像部 木下です。
先日4Kの映像収録業務をご依頼いただき、CA(カメラアシスタント)として現場に行ってきましたので、その業務内容をご紹介します。私はライブコンサートの現場に行くことが多いのですが、調整済みのカメラを渡して頂ける場合がほとんどで、グレースケール(チャート)を使っての調整は初めてでした。
現場での調整作業
現場ではステージ前の1台のカメラを任されました。CA1名がグレースケール(チャート)を持って舞台上の照明の下に立ちます。スタジオ収録現場では、キャスター付きのチャートを使用しますが、舞台は傷を付けないようCAがグレースケールを持つなど、臨機応変に対応します。本番の進行の中で、一番照明が明るい状態にしてから調整スタートです。
グレースケール(チャート)がフレームいっぱいに入るように全カメラでズームし、ピントの調整をします。今回の収録現場では、VE(ビデオエンジニア)さんがモニターを見ながら7台すべてのカメラのカラーバランスを揃えるため、調整中はインカムを付けて指示を待ちます。調整中のなんとも言えない空気感はほんの数分ですがとても緊張しました。
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グレースケールチャートの役割とは?
グレースケール(チャート)とは、カメラのホワイトバランスを取る際、カメラの色を合わせる為に使うカラーチャートのことです。CA(カメラアシスタント)の中には、「必要な時にすぐ出せるから」という理由で、スマホの待ち受けにグレースケール(チャート)を設定している人もいます。
グレースケールを使用したホワイトバランスの調整
カメラは光の三原色である、レッド・グリーン・ブルーの値を変化させて色を表現しています。その中で、どの明るさでも均一にバランスが取れた状態のことを『ホワイトバランスが取れた状態』と言います。私たちが普段使用する業務用カメラは、色温度3200Kの時にホワイトバランスを取ると、最適な状態になるように作られています。
ホワイトバランスの調整は色温度の概念で、下記のように白の基準をどこに置くかということを決めます。
- 3200Kのタングステンライト(家庭用白熱球をテレビ・映画、舞台照明機器に使用できるようにしたライト)を白色とする
- 5400Kの白昼光(太陽光に近い自然な光)を白色とする
- 4200Kの白色蛍光灯(人工的な白い光)を白色とする
この調整は難しく、色温度の設定によって赤みが増したり、青みがかった映像になったりしてしまいます。グレースケールでホワイトバランスをとるというのは、「自然界の色合いで」調整するということになります。
私の以前の職場では「白い紙」で教わったので「白」でやるべきだと思っていましたが、白にも種類があるので、グレーの方がより正確な色温度設定が可能になります。グレースケールはあくまで基礎調整なので、最後は実際に撮る画を見て最終調整を行います。
実際の現場に出て知ることがとにかく沢山あります。どの現場に行くときも緊張しますが、先輩たちに教わりながら、より多くの知識を身に付けていきたいと思います。
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