映像技術解説

音声用3chミキサー(ロケミキサー)の勉強会に参加~機能や基本設定について学習

こんにちは 撮れ高 映像部スタッフの柳町です。

先日、『音声用の3chミキサー』の勉強会に参加しましたので、今回はこのミキサーの機能や基本設定についてご紹介します。『音声用の3chミキサー』とはは、ロケや取材などに行く時に使われるミキサーで、コンパクトで肩にかけて使うことができます。

音をミキサーに入れる(入力側)

ミキサーの入力端子

Ph-MIC(ファンタムマイク)

ミキサー側からファンタム電源供給が必要なマイク(コンデンサーマイク)を使用する時に、ツマミをPh-MICにします。

※ファンタム電源を必要とするマイクを使用する時は、ファンタム電源がかかっている状態でケーブルの抜き差しをすると、ミキサーやマイクの故障に繋がるので、ファンタム電源を切った状態で抜き差しします。

D-MIC(ダイナミックマイク)

ミキサー側からの電源の供給をしなくても使うことが出来るマイクを使用する時に、摘みをD-MICにします。

LINE

ホテルや会議場、イベント会場などで、先方が用意したミキサーから音を貰う場合に摘みをLINEにします。

LINEレベル

機械からの出力のレベルのことです。

音のレベルを合わせる

ミキサーメイン部(音量レベル等のツマミ)

チャンネルフェーダー

大きい摘みが、チャンネルフェーダーです。音量のボリュームで各チャンネルに入れたマイクの音のレベルをコントロールする為の摘みです。

入力感度調整VR

青い印がある摘みが、入力感度調整VRです。マイクのGAIN(ゲイン)。ゲインは、音声の入力の音量です。マイクを入力した時には-70〜-50dBの間に合わせます。

ローカットフィルター

入力感度調整VRの隣にある摘みが、ローカットフィルターです。20〜200Hzの低い音の周波数をカットします。普段は1時くらいの位置に合わせておくと、多少の風の音が気にならなくなります。

チャンネルラインキー

チャンネルフェーダーの上にあるAとBと書かれたスイッチのことです。出力選択スイッチですが、基本的にはAB両方とも上にONにします。

カメラの1chにゲストの声、2chにアナウンサーの声などと、音を分けたい場合にミキサーの1chにゲストを入れ、1chのラインキイのAをONにBをOFFにすると、Aアウトだけにゲストの声が送られます。

2chにアナウンサーを入れ、2chのラインキイのAをOFFにBをONにすると、Bアウトだけにアナウンサーの声が送られます。このような設定をすることで、音を別々にカメラに送ることができます。

音を収録する(出力側)

ミキサーは整音するためのものであり、収録機をもっていないため、カメラの収録機にケーブルを介して送らなければなりません。

ミキサーの出力端子

カメラにミックスした音を入れる時は+4dBに設定します。カメラに接続して、初めて録った音が収録されます。

私が以前、他のスタッフから聞いたことがある話ですが、番組で川を渡らなければならない撮影で、ロケミキサーを頭の上まで持ち上げ音を収録していたことがあるそうです。ミキサーは結構な重さがあり、左右にはケーブルが刺さっているので、頭まで持ち上げて撮影を行うことはとても大変ですし、今では考えられないロケ方法に驚きました。

勉強会は学生時代以上に多くの学びがありました

学生時代にロケミキサーを使って授業を行っていましたが、「このマイクを使う時はこの設定」と、何気なく設定してしまい、「なぜこのような設定になるのか」など、考えていなかった事に気づきました。

また、「ローカット入れといたよ!」という会話を何度もしたのを覚えていますが、自分自身で状況に応じて、ローカットをどのくらいかけるのか判断してレベルを合わせることができていなかったことを、今回の勉強会に参加して気づきました。

学生時代の経験以上に学んだことが多く、今になって反省点に気づくこともありました。より音声について勉強して、知識を身につけて行きたいと思います。

弊社は、撮影をメインに業務を行っておりますが、音にも拘った作品も数多く担当致しますので、是非お問い合わせ下さい。

株式会社撮れ高(03-6274-8982)

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