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アプリの広告撮影現場にCAとして参加~クロマキー撮影の技術や現場での作業テクニックについて

こんにちは!撮れ高撮影部スタッフの平良です!

某人気アプリの広告撮影の業務をご依頼いただき、CA(カメラアシスタント)として、クロマキー撮影の現場に参加しましたのでご紹介します。

タレント密着番組などで見かける『緑背景』の撮影スタジオ

突然ですが、皆さんにはそれぞれ好きな芸能人、例えば俳優さんや芸人さん、アーティストの方などいらっしゃるかと思いますが、自分の好きな芸能人が出ている番組を中心にテレビを見る、という方は結構いらっしゃると思います。

中でも、好きな芸能人の普段の姿、素の状態が見られる、密着型のドキュメンタリー番組や番組撮影のメイキングムービーなどは必ずチェックする!といった方も多いと思います!

普段見ることのできない撮影風景などがちらりと見れたり、これはなんの撮影なんだろうと考えたりする事もあるでしょう。例えば、このようなグリーンで覆われた場所で、真ん中に好きな芸能人が立って撮影しているのを見たことはありませんか?

クロマキー合成撮影とは?

背景が緑で演者がいるだけの映像をメイキングなどの番組以外で、テレビやネットで見たことがある!という方はおそらくゼロだと思います(笑)実際、グリーンバックの画を撮ったところで、映像媒体で放送される時にそのままの緑背景の映像を流すことはありません。

これは何かというと、クロマキー合成撮影と呼ばれ、グリーンバック(グリーンの背景)の前で撮影し、グリーンの部分をコンピュータで透明化して、CGやコンピュータ画面と合成をして映像を仕上げる手法の撮影なんです!写真ではグリーンバックの撮影ですが、ブルーバック(ブルーの背景)での撮影もあり、撮影方法や仕上がりはグリーンバックでもブルーバックでも基本変わりません。

これまでは、スタジオで美術さんや大道具さんが時間をかけてセットをつくり、撮影するのが今までのスタンダードでしたが、近年は合成技術も著しく向上しており、このような撮影が増加している傾向が見られます。あらかじめグリーンバックが常設されており、クロマキー撮影用に作られているスタジオも少なくありません。

撮影時の背景がなぜブルーもしくはグリーンなのか

なぜグリーンやブルーといった色味なのかというと、切り抜きたい信号(キー信号)を作るためには、切り抜きたい色の補色(色相環で正反対に位置する関係の色の組合せのこと)を選ぶと、きれいに合成映像を作ることができるからです。

関連サイト(外部サイト):補色とは?効果・意味・反対色との違いを解説

もう少し分かりやすく説明すると、人間の肌の色はオレンジに近く、その補色となる色がブルーやグリーンに当たるので、グリーンやブルーを背景にした撮影が多いんです。

クロマキー合成撮影時の注意点

この映像を見たことがあるという方もいらっしゃると思いますが、これはクロマキー合成によって起きたハプニングです(笑)この映像からも分かるように、クロマキー撮影に向かない衣装というものが出てきます。まず、ブルーやグリーン系の服装を避けることです。透明化してしまう色を着ていると、合成した映像素材が透けて映ってしまうため、避けなければいけません。

他にも真っ白の服の場合、照明の関係で服装の縁の部分や一部に背景色が乗り、色が抜けてしまうことがあります。程度にも寄りますがなるべく避けるべきです。また、ラメやシルバーなど反射する素材も背景色が映り込んで、色が抜けてしまうことがあります。

少し限定的になってきますが、グリーンとブルーという背景色が多色ある理由は、必ずブルーの服を使いたい!という時はグリーンを、グリーンの服を使いたい場合はブルーを背景に持ってくることで、透明化を回避できる要素もあるからなんです。

実際の現場での作業・テクニックについて

このようなことを踏まえて、透明化する際の背景色と人物、服装の区別が出来るだけ顕著になるように、カメラ側の明るさと照明の位置、光量の強さなどを細かく緻密に計算してセットしていきまます。この作業が1番キモになる作業です。

今回私が参加した現場では、グリーンバックが常設されているクロマキー合成撮影をメインとしたスタジオでの撮影でした。照明部もいたのでセッティングとしては、カメラ、映像ベース、クライアント確認用のモニター出しなどが主だったのですが、中でも大事だったのは、カメラの設定と照明の位置決めでした。

また、今回のスタジオではグリーンバックのカーテンが常設されていたので作業はなかったですが、なるべく映る範囲の布を引っ張り、シワやたるみができないようにセッティングしていくことも大事です。シワやたるみによって出来る微妙な影が黒色と判断されてしまうと透明化出来ず、半端に黒が残ってしまうためです。

これと同様に照明による光源と対象物を結んだ先にできる影もなるべく避けなければならないので、照明位置をなるべく真上寄り、高いところから当てて照明を作っていくことも、クロマキー撮影の際の重要なテクニックになります。

今回参加した現場は某人気アプリの撮影現場でしたが、ネットを基本とした生配信番組などにも最近多くクロマキー合成撮影が増えているので、今回学んだノウハウを活かして今後の映像制作に励みたいです。

撮影スケジュール