映像技術解説

テレビで放送されているカラーバーについて

深夜のカラーバーが怖い??

先日、知り合いと食事会をしている時に、映像業界とは全く関係ない業種で働いている知人から、『深夜に地上波などのテレビで放送されているカラーバーが怖い』という驚きの発言を聞きました。

皆さん一度は見た経験があるのではないでしょうか。だいたいの方が睡眠についた深夜2時~3時くらいに、その日の放送番組のプログラムを全て送出し終えたテレビ局が、順次このようなカラーバーを発放し始めます。

僕らは毎日見ているものなので何も感じたことはなかったんですが、その場にいた他の知り合いに聞いても、多くの人が『深夜に流れているカラフルなあのカラーバーが怖いと思ったことがある』と言っていたので、そもそもカラーバーとは何なのか?について今日はお話しさせて頂きます。

記録メディアの冒頭にカラーバーを収録

カラーバーはテレビ番組のをする際に、テープ(最近では記録メディア)の初めに一分程度収録するのが、一般的な技術会社のカメラアシスタントの仕事です。制作会社のディレクターやAD(アシスタントディレクター)と合流後、即その日の記録メディアを受け取るのが大体の流れで、そのテープ(記録メディア)の冒頭に、カラーバーと音声さんから1kHz(1キロヘルツ)を出してもらい収録します。

何故カラーバーと1kHz(1キロヘルツ)が冒頭に必要かというと、今はほとんどの現場がSDカード収録ですが、ほんの数年前(場合によっては今も)テープでの収録が主流でした。その際に使い回しテープだと、テープをまわし始めた冒頭にノイズがのったりする不安定な現象があったため、カラーバーを1分程度収録していました。

カラーバーを収録するもう一つの意味

また、もう一つ意味があり、編集の段階で複数台の映像素材をつなぎ合わせる際に、カメラ本体の個体差が多少ある場合や、編集所のモニターとカメラの色味やベクトルが違う時にカラーバーを元に波形モニターを使って、同じ色味に追い込んでいきます。それと同じ理由で、テープの冒頭にカラーバーと同時に収録した1kHz(1キロヘルツ)を元に、音声ミキサーさんがMA(マルチオーディオ)で整音する際に一つの指標をして使います。このような理由から今もなおカラーバーと1kHz(1キロヘルツ)を収録しています。

定期的に放送機器の調整・メンテナンス

そして記事の冒頭で触れた、テレビ局が夜中に発放しているカラーバーや1kHz(1キロヘルツ)は、この信号を基準に放送機器の調整を行い、品質を保持している本当に大切なメンテナンス作業なのです。この信号が、テレビ局内の様々な装置を伝わっていく段階で、毎日何年も使っていると色がズレたりすることがあるため、定期的にこのようなメンテナンスが必要で、分かりやすく例えると、ピアノの調律と同じような作業になります。 

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