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香港×日本映像技術解説 ~カメラ‧フレームレート‧伝送方式の違い


こんにちは。撮れ高のロウです。香港でコマーシャル映像のカメラマンとして活動した後、現在は日本でライブ.中継などを中心に映像業務に携わっています。今回は、実際に両国で働いて感じた映像技術面での違いについて、3つの観点からまとめてみました。

使用カメラの種類とその選択理由

香港で携わっていたのは、主にTVCMやMVといった演出重視の案件が多く、シネマカメラ(ARRI ALEXA、REDなど)をよく使用していました。これらのカメラは14ストップ以上のダイナミックレンジや豊富なカラープロファイル(Log、RAW収録)が特徴で、「画作り」を最優先する現場では欠かせない存在です。照明設計やセット構築が重視される現場では、映像のトーンや陰影のコントロールにおいて、シネマカメラの強みが活かされます。

ARRI ALEXA LF

一方、日本で現在多く扱っているのはライブ配信やイベント中継で、Sony HDC-5500/HDC-3500などの放送用システムカメラがメインです。これらのカメラは遅延の少なさ、信号の安定性、長時間収録への対応力に優れ、リアルタイム運用に最適化されています。さらに、RCP(リモートコントロールパネル)によって色温度やアイリスなどを遠隔で統一でき、複数台のカメラを同一ルックに揃えることが容易です。

Sony HDC-5500


フレームレートの違いとその背景

フレームレートにも地域ごとの仕様差があります。香港では25fps/50fpsが基本で、これはPAL方式の名残です。テレビや業務用モニター環境もそれに準拠しており、特に25pは映画的な質感を出す標準的な選択とされています。対して日本では、29.97fps(59.94i/59.94p)が主流です。これはNTSC方式に基づくもので、テレビ放送や配信プラットフォームとの互換性を保つために、放送機器もこの仕様に最適化されています。そのため、イベント収録やライブ配信では、動きが滑らかに見える59.94pが好まれる傾向にあります。

地域主なフレームレート理由
香港25p / 50pPAL方式準拠、フィルムライクな印象を重視
日本29.97p / 59.94i/pNTSC方式、放送/配信との互換性、滑らかな動き重視


映像伝送:ワイヤレスと有線の使い分け

CMやMVなど、主に香港で経験してきた映像現場では、ワイヤレス映像伝送が一般的に使用されます。ケーブルレスによってカメラの自由度が大きく向上し、ジンバル・ステディカム・ドリーなどを使った動きのある撮影で効率が高まります。また、多くの場合、内蔵メディアに直接記録しつつ、映像確認のために無線を使うという運用がされます。

一方、日本で主に担当しているライブ中継やイベント撮影では、有線接続(光ファイバーや多治見ケーブル)が基本です。Sony HDCシリーズのような放送用カメラはCCU(カメラコントロールユニット)と接続することで、電源供給‧映像送出‧リターン映像‧タリー‧インカムなどを1本のケーブルで統合制御できます。映像の遅延が極めて少なく安定性も高いため、スイッチングを伴う現場では有線が必須です。特にライブでは1フレームの遅延が致命的になるケースもあるため、信頼性‧安定性を最優先して、有線接続が採用されているという背景があります。

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