こんにちは、撮れ高のロウです。
今回は、UKさまの新曲「Made Up Your Mind」のMVでカラリストを担当しましたので、制作の裏側とグレーディングのポイントをご紹介します。

撮影機材と素材の特性
本作は、Sony FX6とFX3にG Masterレンズを組み合わせて撮影されています。S-Log3で収録された豊富なダイナミックレンジのおかげで、ポスト処理でも繊細なトーン調整が可能でした。



カラーの方向性とテーマ性
楽曲のもつクールさと切なさを表現するため、
- シャドウは青みを効かせて都会的な空気感を、
- ミッドトーンは肌色を保ちつつ軽くティール系に、
- ハイライトはナチュラルに整理しつつ、全体に透明感を持たせました
ステージ照明とスキントーンの補正
ロケ地は撮影スタジオで、カラーLED照明が多用されており、赤・青・緑などが直接肌に当たっていました。UKさんはアイドルであることから、「肌の印象」は作品全体の印象を大きく左右します。
DaVinci Resolveでの主な工程:
- 顔まわりをPower WindowとQualifierで選択し、Hue vs HueやHue vs Satで色被りを抑制
- ベクタースコープでスキントーンラインを確認しながら色調整
- カーブとLuma vs Satを使って、光に潰れた陰影や彩度を再構成
- ソフトなGlowやGrainを加えて立体感と温かみを演出
完全に照明色を打ち消すのではなく、空間の雰囲気やライブ感を残しつつ、「魅せる肌」へ自然に整えることを意識しました。






カラーで引き出す「映像の魅力」と「人物の力」
今回のMVでは、カラリストとして「映像の質感」と「人物の魅力」をどちらも最大限に引き出すことを意識し、作品全体の印象を左右する“色の力”を改めて実感しました。特にステージ照明が演出する非現実的な光の中でも、アーティスト本来の持つ存在感を損なわず、画としての美しさも保つ。そのバランスを追求するのは大変ではありますが、それ以上にやりがいのある工程でした。
今後も、被写体や企画の意図に応じて最適なルックやカラー表現を提案しながら、より良い映像づくりを目指していきます。
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